多くの方には、関係のない話なのですが、ANAやスターアライアンスの飛行機には、SFC(スーパーフライヤーズカード)というカードを作るために、JALやワンワールドの飛行機には、JGC(JALグローバルクラブ)というカードを作るために、目的地には目的もないのに、飛行機に乗って、上級会員の資格を取得するためのポイントを稼ぐ人たちが多く存在します。飛行機に乗って、どこかへ行くことが目的ではなく、飛行機に長く、もしくは多く乗ること自体が目的となっており、多くは、国内線、国際線のエコノミークラスを乗り継ぎ、狭い機内で苦痛な時間を耐えなければならないので、修行僧と呼ばれています。

なぜ、彼らは、そこまでするのか?それらのカードの魅力は一体?

冷静に考えれば、実はそこまでするほどの魅力はないのだと私は、思います。というとがっかりしてしまうかもしれませんが、事実、それほどのメリットは正直ありません。実は、あと少しで取得するという手前で、気づいてしまいました。

では、もう一度、なぜ?と言われると、そこに山があるからという感じでしょうか? 山があるから、山に登る。まさに、航空会社に踊らせられいるのですが、それでよいのです。そもそも、旅にはいつでも出たいので、今年は、SFCを取るので、原則はANA、ANA以外でも、スターアライアンス加盟のエアラインに余計に乗らなきゃいけない。という言い訳になれば、よいのだと思います。

とはいえ、全くメリットがないわけではないので、日系航空会社特有の不思議なクレジットカードについて、説明しましょう。

その前に、FFP(フリークエントフライヤープログラム)の上級会員制度の説明からしなくてはなりません。

日本のみならず、世界のほとんどのフルサービスキャリア(Full Service Carrier =FSC)は、独自のマイレージプログラムを持っており、(航空会社により期間は異なりますが)航空会社の定める1年間にその顧客が搭乗したキャビンクラス(ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)、ブッキングクラス(正規、正規割引、格安等の割引率によって細かく設定されている)、距離に応じて、マイルとは別のポイントが貯まり、その期間のポイント数が、規定数を超えると、次の1年間(航空会社によっては1年半だったり2年だったりします)上級会員として、特別なサービスをする制度を持っています。

その内容は、概ね、ビジネスクラスに乗っている顧客に提供されるものに、似通っています。

上級会員は、(ダイアモンドなどの最上級会員ではなくて、GOLDとかサファイアとかプラチナとか)

1.飲み物、食事やシャワーなどが浴びられる空港ラウンジへ入ることができる(ビジネスクラスの顧客が入るところと同じです)

2.ビジネスクラスカウンターでチェックインし、国際線ではビジネスクラス客とともに優先搭乗、空港によっては、専用手荷物検査場が使えます。

3.Priority baggageとして預け手荷物が(ビジネスクラスと同様)優先的に出てきます。加えて、荷物の重量制限が優遇されます。

4.マイルが多めに付きます。

5.空席待ちが優先されたり、インボランタリーアップグレードと言って、エコノミーからビジネス、ビジネスからファーストへチェックイン時に無償アップグレードされ”やすく”なります。例えば、ANAの場合、プレミアムエコノミー設定路線では、空きがある場合には、エコノミーの上級会員は、プレミアムエコノミーを無償で指定することができます。

6.航空会社によっては、前年の搭乗実績に応じて、アップグレードポイントがもらえたりします。

1〜3は、大概、同一アライアンスでは、共通で扱われ、4〜6については、各航空会社独自のものです。たとえば、ANAの上級会員ならスターアライアンスの加盟航空会社に、JALの上級会員なら、ワンワールドの加盟航空会社に搭乗したときにも、アライアンスの上級会員として、1〜3のメリットを受けられますし、例えば、ワンワールド加盟のキャセイパシフィックの上級会員が、JALに搭乗した時にも、1〜3のメリットをJALの国内・国際線ともに、受けることができます。

この上級会員制度は、通常、計測期間ごとにリセットされ、上級会員になっても、次の計測期間で、規定のポイントに達しなければ、また、通常会員になってしまいます。

が、日系の2社に関しては、ひと度、上級会員になると入会資格がもらえる特殊なクレジットカードに入会し、更新し続けることによって、この(アライアンスでも有効な)上級会員の資格を、一度も飛行機に搭乗しなくとも、維持し続けることができるという他国では存在しない特異なシステムを持っています。

ANAであれば、プラチナ以上の到達で、入会できる

スーパーフライヤーズカード
https://www.ana.co.jp/amc/reference/elite/spfs2.html

JALであれば、サファイア以上の到達で入会できる

JALグローバルクラブ
https://www.jal.co.jp/jalmile/jgc/ 

でカードを発行・維持すれば、事実上、上級会員資格を維持できるため、ANAプラチナもしくはJALサファイアを目指して、1年間ひたすら、飛行機に乗り、ANAのプレミアムポイント(PP)、JALのフライオンポイント(FOP)を稼ぐ修行僧が出てくるわけです。

国際線であれば、ビジネスクラス、国内線であれば、ANAのプレミアムクラス、もしくは、JALのファーストに乗れば、この特典の大半は、もらえるので、マイルの増量やアップグレードされるかどうかわからないインボラ目当ての修行は、無駄といえば無駄です。

が、なんか目の前に目標を与えられると、クリアを目指してしまうのは、悲しい性としかいいようがありません。飛行機乗るのが好きな人にとっては、楽しいからいいんですけどね。

私も、さすがに、エコノミーで修行というわけにはいきませんが、昨年は、搭乗便をANAとスターアライアンスに寄せて、スターアライアンスゴールド、SFCを作り、今年は、搭乗便をJALとワンワールドに集めて、8月時点で、サファイアまでは、達成しました。

後述しますが、トルコ航空のEliteステイタス=スターアライアンスゴールドとキャセイパシフィックマルコポーロのゴールド=ワンワールドサファイア(しかも、順調に更新されています)を持っているので、大きな変化はありません。

この先、達成したらどうなるの?ってことはないのですが、折角なので、JGPもしくはダイアモンドのワンワールドエメラルドまで、行ってみたいなと思っています。もはや、自己満足以外のなにものでもないのですが。

エアライン上級会員とクレジットカードと修行僧https://geektravellers.com/wp-content/uploads/2013/09/7dd1f73a8c185aff3b5fa2319c780d231.pnghttps://geektravellers.com/wp-content/uploads/2013/09/7dd1f73a8c185aff3b5fa2319c780d231-150x150.pnggeektravellers.comAIRLINES基礎知識featuredJAL GLOBAL CLUB/JAL CARDSUPER FLYERS CARD/ANA CARDワンワールドスターアライアンスJAL/日本航空ANA/全日空ANA,FFP,JAL,JGC,SFC,グローバルクラブ,ゴールド,サファイア,スターアライアンス,スーパーフライヤーズカード,ワンワールド,上級会員,上級会員、修行,修行,修行僧
多くの方には、関係のない話なのですが、ANAやスターアライアンスの飛行機には、SFC(スーパーフライヤーズカード)というカードを作るために、JALやワンワールドの飛行機には、JGC(JALグローバルクラブ)というカードを作るために、目的地には目的もないのに、飛行機に乗って、上級会員の資格を取得するためのポイントを稼ぐ人たちが多く存在します。飛行機に乗って、どこかへ行くことが目的ではなく、飛行機に長く、もしくは多く乗ること自体が目的となっており、多くは、国内線、国際線のエコノミークラスを乗り継ぎ、狭い機内で苦痛な時間を耐えなければならないので、修行僧と呼ばれています。 なぜ、彼らは、そこまでするのか?それらのカードの魅力は一体? 冷静に考えれば、実はそこまでするほどの魅力はないのだと私は、思います。というとがっかりしてしまうかもしれませんが、事実、それほどのメリットは正直ありません。実は、あと少しで取得するという手前で、気づいてしまいました。 では、もう一度、なぜ?と言われると、そこに山があるからという感じでしょうか? 山があるから、山に登る。まさに、航空会社に踊らせられいるのですが、それでよいのです。そもそも、旅にはいつでも出たいので、今年は、SFCを取るので、原則はANA、ANA以外でも、スターアライアンス加盟のエアラインに余計に乗らなきゃいけない。という言い訳になれば、よいのだと思います。 とはいえ、全くメリットがないわけではないので、日系航空会社特有の不思議なクレジットカードについて、説明しましょう。 その前に、FFP(フリークエントフライヤープログラム)の上級会員制度の説明からしなくてはなりません。 日本のみならず、世界のほとんどのフルサービスキャリア(Full Service Carrier =FSC)は、独自のマイレージプログラムを持っており、(航空会社により期間は異なりますが)航空会社の定める1年間にその顧客が搭乗したキャビンクラス(ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)、ブッキングクラス(正規、正規割引、格安等の割引率によって細かく設定されている)、距離に応じて、マイルとは別のポイントが貯まり、その期間のポイント数が、規定数を超えると、次の1年間(航空会社によっては1年半だったり2年だったりします)上級会員として、特別なサービスをする制度を持っています。 その内容は、概ね、ビジネスクラスに乗っている顧客に提供されるものに、似通っています。 上級会員は、(ダイアモンドなどの最上級会員ではなくて、GOLDとかサファイアとかプラチナとか) 1.飲み物、食事やシャワーなどが浴びられる空港ラウンジへ入ることができる(ビジネスクラスの顧客が入るところと同じです) 2.ビジネスクラスカウンターでチェックインし、国際線ではビジネスクラス客とともに優先搭乗、空港によっては、専用手荷物検査場が使えます。 3.Priority baggageとして預け手荷物が(ビジネスクラスと同様)優先的に出てきます。加えて、荷物の重量制限が優遇されます。 4.マイルが多めに付きます。 5.空席待ちが優先されたり、インボランタリーアップグレードと言って、エコノミーからビジネス、ビジネスからファーストへチェックイン時に無償アップグレードされ”やすく”なります。例えば、ANAの場合、プレミアムエコノミー設定路線では、空きがある場合には、エコノミーの上級会員は、プレミアムエコノミーを無償で指定することができます。 6.航空会社によっては、前年の搭乗実績に応じて、アップグレードポイントがもらえたりします。 1〜3は、大概、同一アライアンスでは、共通で扱われ、4〜6については、各航空会社独自のものです。たとえば、ANAの上級会員ならスターアライアンスの加盟航空会社に、JALの上級会員なら、ワンワールドの加盟航空会社に搭乗したときにも、アライアンスの上級会員として、1〜3のメリットを受けられますし、例えば、ワンワールド加盟のキャセイパシフィックの上級会員が、JALに搭乗した時にも、1〜3のメリットをJALの国内・国際線ともに、受けることができます。 この上級会員制度は、通常、計測期間ごとにリセットされ、上級会員になっても、次の計測期間で、規定のポイントに達しなければ、また、通常会員になってしまいます。 が、日系の2社に関しては、ひと度、上級会員になると入会資格がもらえる特殊なクレジットカードに入会し、更新し続けることによって、この(アライアンスでも有効な)上級会員の資格を、一度も飛行機に搭乗しなくとも、維持し続けることができるという他国では存在しない特異なシステムを持っています。 ANAであれば、プラチナ以上の到達で、入会できる スーパーフライヤーズカード https://www.ana.co.jp/amc/reference/elite/spfs2.html JALであれば、サファイア以上の到達で入会できる JALグローバルクラブ https://www.jal.co.jp/jalmile/jgc/  でカードを発行・維持すれば、事実上、上級会員資格を維持できるため、ANAプラチナもしくはJALサファイアを目指して、1年間ひたすら、飛行機に乗り、ANAのプレミアムポイント(PP)、JALのフライオンポイント(FOP)を稼ぐ修行僧が出てくるわけです。 国際線であれば、ビジネスクラス、国内線であれば、ANAのプレミアムクラス、もしくは、JALのファーストに乗れば、この特典の大半は、もらえるので、マイルの増量やアップグレードされるかどうかわからないインボラ目当ての修行は、無駄といえば無駄です。 が、なんか目の前に目標を与えられると、クリアを目指してしまうのは、悲しい性としかいいようがありません。飛行機乗るのが好きな人にとっては、楽しいからいいんですけどね。 私も、さすがに、エコノミーで修行というわけにはいきませんが、昨年は、搭乗便をANAとスターアライアンスに寄せて、スターアライアンスゴールド、SFCを作り、今年は、搭乗便をJALとワンワールドに集めて、8月時点で、サファイアまでは、達成しました。 後述しますが、トルコ航空のEliteステイタス=スターアライアンスゴールドとキャセイパシフィックマルコポーロのゴールド=ワンワールドサファイア(しかも、順調に更新されています)を持っているので、大きな変化はありません。 この先、達成したらどうなるの?ってことはないのですが、折角なので、JGPもしくはダイアモンドのワンワールドエメラルドまで、行ってみたいなと思っています。もはや、自己満足以外のなにものでもないのですが。
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